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仙台フィルハーモニー管弦楽団 ニューイヤーコンサート2005

  2005.1.6 電力ホール・仙台市)

ピアソラ  忘却

オーボエ独奏者:鈴木繁氏とのやりとりもおもしろく、場内は爆笑の渦でした。

外山:次はアストール・ピアソラの「忘却」という曲を聴いていただきます。

ピアソラはタンゴの作曲家で、今日の演目でクラシックに登場したのは誤解を招きそうですが、ピアソラはクラッシックの作曲技法を丹念に勉強した人です。しかしあくまでもタンゴの作曲家であって、タンゴを革命的に変えたといわれています。彼の音楽の魅力に取り付かれた人はたくさんいます。わたしもその一人で、CDになるまえの今では再生するのも難しくなってきたLP時代の初めに出た曲を沢山もっています。

 

(ここで舞台の袖のほうに向かって)ちょっと、シゲルさん出てきてよ。

シゲルさんいない?

(と独奏者を呼ぶと、鈴木繁氏がオーボエを持って登場する)

 

知らん顔してますね。この人なぜ知らん顔しているかというと、このオーケストラのなかでベテランの一人なんです。

えー鈴木繁さんです。(と紹介する)

(場内拍手)

 

(オーボエを指差しながら)

えーいきなりチャルメラと言いそうになってしまいました。

このオーボエの、ちょっとリードだけ取り外して吹いてください。

(鈴木氏 ピーとリードだけで鳴らす)

ちょっとふしをつけてみて。

(ピーピー。よなきそばのチャルメラが聴こえてきます)

(場内 笑い)

 

外山:もーいいから、いいから。 このリードはなに?よし?あし?

 

鈴木:「あし」ですね。「よし」とも言いますが。

 

外山:で、これはフランスのよし?

 

鈴木:ええ。よく乾燥した「よし」ですね。「よし」とも「あし」ともいうんですね。昔、「あし」と言う言葉が悪かったので、それで「よし」というようになったようです。

(ここで場内拍手)

 

外山:「よし」の茎をけずったものを二枚合わせた楽器をダブルリードの楽器といい、オーケストラのなかではオーボエとファゴットです。一枚だけ使うのはクラリネット。で、オーボエはヨーロッパの楽器?もとはどこの楽器?

 

鈴木:えー、世界中で二枚のリードを使った楽器は沢山あります。勿論、日本にも。

 

外山:私たちの知っているチャルメラは簡単にいうとオーボエですよね。

 

鈴木:あれに色々キーをつけたのがオーボエで。

 

外山:チャルメラというのはシャルモーという言葉からなの?

シャルモーというのはどこ?

 

鈴木:(鈴木氏はしばらく間を置いて)すいません。・・・・・忘却しました。

 

外山:では 、その「忘却」

(ここで演奏がはじまる。聴いてみてください。いい曲ですよ) 約4分 起動までややかかる