うやむやの関 ぼけなし観音

うやむや観音は雪に埋まって

 

ぼけなし観音のほていさん

山形に「うやむや(有耶無耶)の関」という所があります。名前からして面白い。

県境の笹谷峠にあり、冬は雪の難所です。

古くから知られていた関所らしく歌枕にもなっています。鎌倉時代の歌

「霧深きとやとやとほりの道問へば名にさへ迷ううやむやの関」宗良親王                                    

いつも霧が深く昔は峠を越して出羽の国に出るのは大変だったようです。

天気が極端に変わり、仙台が晴れでもトンネルを抜けると雨だったということが今でもあります。

 

むかし笹谷峠には鬼が棲んでいて旅人を食い殺す。その笹谷峠のカラスが、旅人を不憫に思い鬼がいれば「うや」、いなければ「むや」と鳴くことで安全を知らせたという。

あるとき旅人が峠に差し掛かったとき、同時に「うや」「むや」と聞こえた。旅人は困惑して引き返してしまったという。

「うやむやになる」とはこんなところからきているんですかね。

 

おなじところに「ぼけなし観音」というのもあります。物事をうやむやにしておくとボケのもとになるので「ぼけなし観音」をつくったのでしょうか。